情報整理ワークブック 販売中 ≫

「兼業主婦」というスタンス

価値観に合うなら、どんな働き方でもいい

 

先日、横手市主催の「女性のための起業家支援セミナー 2days」にて、実例発表の場をいただきました。

横手市は、子どもたちがばぶちゃんの頃に3年ほど住んでいた、思い入れのある土地。
道中「なつかし~!」「ここ変わってる!」と叫びながら笑、運転していきました。
お仕事はまったくせずに、家事と2人の子育てのみに集中していた3年間…
ご近所の同世代の方たちと、育児の苦楽(?)をわかちあった、ただひたすらに楽しかった日々でした。
人生の中でも、もっとも豊かで貴重な時間。
思いがけず、そんな縁のある場所でお話しできるとは、本当に嬉しいものでした。

 

さて、この2daysのセミナー。
1日目は「自分の価値観を発見する」ワークを行ったそうです。
(わたしは残念ながら、2日目だけの参加…)


起業のセミナーって、どんな形態でとか、売上目標を決めようとか、そして融資はどこから受けるか…とか、そんなイメージがあるのかもしれませんが、
「まずは自分の生き方について考える」
ところからスタートしていたのが、とても共感できました。

今回わたしにお声がけをくださった、セミナーの講師の方がおっしゃっていたこと。

「価値観に合うなら、どんな働き方でもいいと思うんですよね」

もう、このひとことに集約されている!
激しく共感しました。
必ずしも起業という形じゃなくてもいいし、パートという雇用形態ももちろんいいし、ボランティアや市民活動もありだし、趣味という形でもOKということ。

起業する女性は増えていますし、国も女性起業の機運醸成のために予算をつけるほど力を注いでいます。
わたしも「女性起業家さんのサポーター」と自分の仕事を位置づけていますし、「起業アテンダント」という名のもとに、ご相談をお伺いすることもありますが…

大事なのは起業家になることではなく、「どう生きたいのか」「生きるなかで働くことをどうとらえるか」という価値観を、自分のなかで明らかにすること。
起業はそれを体現するための手段のひとつでしかないということ。
多様な働き方を選ぶための、知恵と手法であること。
起業という響きやムーブメントに、単純に流されない軸をもつことこそが大事だと考えます。

デコボコの仕事年表は、価値観と向き合った結果

今回の発表のために、あらためて自分の仕事年表を作ってみましたら…
まあデコボコの連続でしたw
だいたい「起業」というよりは、 出産のため、勤めていた会社を辞めてそのままフリーライターに転身、と言ったほうがしっくりきます。
ひとつのことをコツコツと積み重ねる右肩上がりの起業家… なんてとても程遠く。
分断あり、パラレルワークありの波だらけ。
起業家というテイとしては格好悪いですよね。

でも、「なんのために書いているのか、誰に役立っているのかわからない」と絶望し、仕事の意義や請け方に疑問を感じてライティング業を中断したこと。
別の業種のお仕事もやってみたこと。
家族のメンタル不調のケアを第一にする時間を大事にしたくて、仕事量は減らしたこと。

この「波」がなかったら、世の女性起業家さんが何に悩んでいるのかが体感できなかったかもしれないし、「樹のワーク」もたぶん生まれませんでした。
テキスト納品より、お仕事を生きる証にしたい女性を応援したいから、伝えることの下支えや伴走をしていきたい、という軸もできました。

人と接するのは嫌いじゃないけど、やっぱりルーティンワークは向かないなとか、職場でのランチは得意ではない、仕事のクオリティを下げることが絶対に嫌だ…とか、自分の特性についても認識できました。
この波も含めての今が、「価値観」と向き合った結果なんですよね。

「兼業主婦」というスタンス

そんなわけで、起業や、仕事を続けるなかで大事だなと思うことを掘り下げていったら、わたしの中では「生きるうえで何を大切にしたいのか?つねに問うこと」でした。
これは、仕事のスタイルやキャパにも関係してくるからです。

わたしが譲れないものは、仕事のクオリティ。
体力もないですし、複数のことを器用に並行してできないので、欲張った仕事はせずに、目の前の仕事をひとつひとつ丁寧に、集中するように心がけています。
(だから、お待ちいただくこともあります)

それと、当たり前といえば当たり前のことですが、家庭のことを犠牲にしないこと。
家族のことは「そのとき」じゃないとダメな瞬間があると思っています。
(だから仕事をすっぽかしても良いという意味ではないですよ)
それは注意深くみていて、もしその大事な瞬間を逸してしまったのなら、一生後悔することになるでしょう。
きっと仕事より、心の損失のほうが大きい。

振り返ると、フリーライターになって一番最初につくった名刺の肩書きも、「兼業主婦」でした。
(何やってる人なんだか伝わらないじゃん!と思いますが、そのときはそういう価値観をそのまま出したかったんですね。。若さだなぁ)
だけど、わたしの中では、今もそのスタンスは変わっていないんだなと、今回再認識しました。

華々しい売上やキラキラ感とは縁がありませんが、それはたぶん、わたしの大切にしたいものとは、ちょっとずれたところに浮かんでいるもの。
起業家なんだからガンガン稼がないと恥ずかしい!とか、そんな文句に心揺れたりすることも正直あります。
そんなとき立ち戻るのは、自分の価値観。
規模感にかかわらず、淡々と、小さくやっていくだけだと感じています。

 

error: Content is protected !!